短歌賞の記録

短歌に関する賞は数多くあり、その名称だけではどのような賞なのか分かりづらいのが現状です。tankafulでは、短歌(連作)、歌集・歌書、功績に対する短歌賞を中心に情報をまとめています(詳細情報へのリンクのない賞については、現在調査中です)。

賞の応募条件や締め切りは、前年度までの内容から変更されることがあります。賞への応募を考えておられる場合には、主催者から発信される一次情報をご確認ください。

継続中の賞

公募:短歌(連作)

角川短歌賞

総合誌「短歌」を発行する角川書店により、昭和30年に創設。現在は角川文化振興財団主催。未発表短歌50首を公募(第67回応募時)。

短歌研究新人賞

総合誌「短歌研究」を発行する日本短歌社により、昭和29年に五十首詠として創設され、昭和33年に改称。現在は、短歌研究社主催。未発表短歌30首を公募、選者は予め好評されず(第58回応募時)。

歌壇賞

総合誌「歌壇」を発行する本阿弥書店主催。未発表短歌30首を公募(第26回応募時)。受賞作、次席作品のみならず、一部の候補作も誌面に全首掲載される。

現代短歌社賞

「現代短歌新聞」、総合誌「現代短歌」を発行する現代短歌社主催。未・既発表を問わず、歌集未収録の短歌300首を公募。受賞作品は、一冊の歌集として刊行される(第3回応募時)。

中城ふみ子賞

帯広市、短歌研究社が中心となって隔年で開催。未発表短歌50首を公募(第6回応募時)、受賞作は総合誌「短歌研究」に掲載される。

公募:評論・書評

現代短歌評論賞

総合誌「短歌研究」を発行する日本短歌社により、昭和29年に創設。一時の中断を経て、現在は短歌研究社主催。予め発表される課題に対して、四百字詰原稿用紙20~30枚相当の未発表論文を公募(第33回応募時)。選考委員には、応法者の氏名、生年月日、歌歴・所属誌などの情報も予め開示。
主催は現代短歌社。書評を対象とした公募賞。

雑誌掲載短歌(連作)および功績

短歌研究賞

総合誌「短歌研究」を発行する短歌研究社による、”実力ある作家を顕彰することを目的とする”賞。対象年度において、なんらかの総合誌上に発表された20首以上の連作を中心とし、それまでの作歌活動の実績を加味して選出する(第52回)。

歌集:おもに第一歌集(賞によっては第二歌集を含む)を対象とするもの

現代歌人協会賞

現代歌人協会主催。”対象年度に刊行された新人の歌集を対象”とした賞(第58回)。現代歌人協会員の推挙を経て、選考委員が候補歌集を選出し、討議によって受賞歌集を決定。なお、候補となった歌集の著者と同じ結社に所属する選考委員は討議に加わることができない。

日本歌人クラブ新人賞

日本歌人クラブ主催。対象年度に刊行された60歳以下の作者による第一歌集が対象。

現代歌人集会賞

現代歌人集会主催。

現代短歌新人賞

大宮市の市制試行60周年記念事業として始められた賞(大宮市は2001年に他市と合併して「さいたま市」に)。さいたま市、さいたま市教育委員会主催。文化出版局 月刊誌「ミセス」協賛。対象年度に刊行された第一歌集を対象とするのが原則だが、第二・第三歌集も対象となりうる。選考結果は月刊誌「ミセス」でも発表され、選評とともに受賞者のインタビュー記事が掲載される(第14回)。
NPO法人国際科学技術文化振興会主催。後援に、太宰府市、本阿弥書店、西日本新聞社など。対象年度に刊行された60歳以上の作者が著した第一歌集が対象。選考過程は総合短歌誌「歌壇」に掲載される。正賞として人形師である三宅隆による博多人形「万葉の月」、副賞として賞金が授与される。

歌集:おもに第二歌集以降、ベテラン層の歌集を対象とするもの

塚本邦雄賞

主催は短歌研究社。選考の対象は、「選考会の前年4月1日から当年3月31日までに刊行された歌集作品(作者の第二歌集以降の作品)」を原則とする。
角川書店によって1967年に俳句の「蛇笏賞」とともに設立。現在は角川文化振興財団主催。対象年度に刊行された歌集が対象。
日本歌人クラブ主催。対象年度に刊行された歌集が対象。

歌書(評論集)

日本歌人クラブ主催。対象年度に刊行された評論書や研究書が対象。

歌集・歌書

総合誌「現代短歌」を発行する現代短歌社主催。

前川佐美雄賞 (← ながらみ現代短歌賞

総合誌「短歌往来」を発行するながらみ書房主催。前身は「ながらみ現代短歌賞」。対象年度に刊行された”スリリングで優れた歌集・歌書”を主な対象とし、短歌関係の辞典や雑誌の特集・企画など広い範囲にも視野をひろげる。

ながらみ書房出版賞

総合誌「短歌往来」を発行するながらみ書房主催。新人・ベテラン問わず、対象年度にながらみ書房より刊行された歌集・歌書が対象。

齋藤茂吉短歌文学賞

山形県企画振興部の齋藤茂吉短歌文学賞運営委員による運営。対象年度に刊行された歌集・歌書(歌論および歌人研究など)が対象。
島木赤彦研究会主催。

歌集・歌書および功績

現代短歌大賞

現代歌人協会主催。対象年度に刊行された”歌集・歌書等を対象として、その最も優れた著作”に授与される。
宮崎県、宮崎県教育委員会、宮崎日日新聞社、延岡市、日向市主催。対象年度に刊行された”歌集及び若山牧水論の著者の中から、これまでの実績を参考にし、短歌文学の分野で傑出した功績を挙げた者”に授与される。

功績

日本歌人クラブ主催。”地道に励み、斯道に貢献している歌人を顕彰するため”に2010年に設立。歌人個人の業績に対して授与される。

終了または短歌部門が廃止となった賞

公募:短歌(連作)

短歌現代新人賞

総合誌「短歌現代」を発行していた短歌新聞社主催。第26回まで開催され、同誌廃刊とともに終了した。未発表短歌30首を公募。生年による制限(およそ40歳まで)あり。

短歌現代歌人賞

総合誌「短歌現代」を発行していた短歌新聞社主催。第24回まで開催され、同誌廃刊とともに終了した。未発表短歌30首を公募。

石川啄木賞(短歌部門)

北溟社によって設立。2009年の第2回目以降、開催されていない。未発表の短歌30首を公募(第2回目)。

北溟短歌賞

アンソロジー『現代短歌最前線』の刊行を記念し、北溟社によって開催。50歳未満で歌集未刊行の者を対象に、短歌100首を公募。受賞作は歌集として刊行された。

うたう作品賞

短歌研究社が発行する総合誌「短歌研究」の創刊800号記念の臨時増刊号「うたう」において開催された賞。一次選考として5~10首を募集。選出された者が選者とやりとりし、30~50首の作品にまとめたうえで最終選考へと臨むという形式だった。

歌葉新人賞

SS-PROJECT(荻原裕幸、加藤治郎、穂村弘)コンテンツワークス株式会社主催。風媒社協賛。未発表の短歌30首を公募。郵便での応募は受け付けず、ウェブサイトのフォームから応募を受け付けた。候補作決定後の選考過程はインターネット上の掲示板で公開され、回によっては公開選考会が開かれた。受賞作はオンデマンド出版の歌集として刊行された。

フーコー短歌賞

新風舎のレーベル「フーコー」による賞。未・既発表、歌集未収録・既収録を問わず、短歌100首以上を公募。大賞作品は歌集として刊行された(第7回目)。

歌集:おもに第一、第二歌集を対象とするもの

歌集:おもにベテラン層の歌集を対象とするもの

河野愛子賞 (→ 葛原妙子賞

未来短歌会が設立、6回目以降は砂子屋書房が主催。女性歌人による歌集および、河野愛子をテーマにした評論集が対象。第10回をもって終了し、葛原妙子賞として発展的に継続。

寺山修司短歌賞

砂子屋書房主催。男性歌人の歌集が対象。

葛原妙子賞 (← 河野愛子賞

砂子屋書房主催。女性歌人の歌集が対象。

ながらみ現代短歌賞 (→ 前川佐美雄賞

総合誌「短歌往来」を発行するながらみ書房主催。「ながらみ書房出版賞」と同時に設立され、第二歌集以降の歌集を対象とした。第10回をもって終了し、前川佐美雄賞として発展的に継続。
株式会社文學の森主催。第10回目までは短歌部門が存在し、対象年度に刊行された歌集を対象に賞が授与された。現在は名称が「山本健吉賞」に変更され、句集のみを対象とする賞となった。
 
 

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