不思議な読書会
歌集の魅力を伝えるために
中澤系さんの妹さんである中澤
Twitterベースのリアル歌会
この読書会の副題、「第2回みなとみらい歌会」に関連して、<Twitterベースのリアル歌会>のことを少しお話ししようと思います。
わたしは、2011年11月「第1回空き地歌会」にスタッフのひとりとして参加し、2012年2月に「第1回みなとみらい歌会」を企画・運営しました。いずれも、Twitterで、歌歴や所属を問わず、参加者を募集。はじめて会う方も多い、オフ会的な要素もある歌会でした。
「世の中には、どうも歌会というものがあるらしい……。一度も歌会に出たことはないけれど、歌会というものをやってみたい!」という
せっかくTwitterで呼びかけてリアル歌会をするのなら、参加がかなわない人たちにも空き地歌会を見てもらいたい、という考えから、天国ななおさん(@momomiyam)に中継をお願いしました。実際にその場に参加してみないと体験できなかった「リアル歌会」を、参加者以外に(おそらく)はじめて可視化したものになりました。その後、大阪の「空き家歌会」、新潟の「空き瓶歌会」(こちらはユーストリーム中継はありません)へと、Twitter発のリアル歌会が増えるきっかけになったと思っています。
参考:トークセッション「ネットの短歌はどこへゆく?」発言記録(PDF) @大阪短歌チョップ
「みなとみらい歌会」も、Twitterでのやりとりがきっかけで、突発的に開催を決めた歌会でした。第1回には21名の参加があり、Twitterで告知するだけで、これだけ歌会に参加したい人がいる、実際に会って歌の話をしたい人がいるんだ、という驚きがあったことを覚えています。
このような流れで、みなとみらい歌会の第2回として、『uta 0001.txt』を読む会を開催することになり、またまた天国ななおさんにお願いをして、ユーストリーム中継を実施することになりました。
中澤系歌集『uta 0001.txt』を読む会
実際に「空き地歌会」や「みなとみらい歌会」をやってみた経験から、<中澤系歌集『uta 0001.txt』を読む会>も、Twitterで呼びかければ、かなりの反響が見込めるのではないか、と思って準備を進めました。
具体的には、中澤瓈光さんに【中澤系プロジェクト】名義で、ゆうちょ口座を開設していただきました。まずは、読書会用に販売する10冊分の代金の振込先として、また、(いずれなんらかの形で)「出版費用」を積み立てるための口座です。
Twitterで告知したところ、わたしの想像以上の反響がありました。首都圏の方からの参加者がほとんどだろう、と思っていたのですが、鳥取・大阪・新潟といった遠方からの参加希望があったのです。
当日の参加者は、34名。内訳は、Twitter経由で参加してくださった短歌実作者、短歌読者の方が28名(スタッフを含む)、中澤系さんの学生時代のお友達が5名、そしてご家族代表として、中澤瓈光さん。(この連載の第2回でお話した、さいかち真さんの参加は、残念ながらさいかちさんのご都合でかないませんでした。)
最初に「不思議な読書会」と書いた理由を書いてみます。わたしがこれまでに参加したことのある一般的な歌集批評会というのは、歌集を出版した著者がその場にいて、参加者はそれを前提にパネリストの話を聞いたり、発言をしたりする歌人たち、なんですね。(著者の交友関係によっては、小説家、詩人、俳人といった他ジャンルの方が参加していることもありますが……)
この日は、<歌人・中澤系>の作品としか接触したことがない短歌実作者・読者と、「短歌のことはよくわからないんだけど」という中澤さんと交流の深かったお友達が一同に会し、『uta 0001.txt』の歌を読む、という不思議な時間だったのです。
当日のレポートを、参加者の牧野芝草さんがこちらに書いてくださっています。合わせてお読みいただければと思います。
次回も、もう少し、この読書会のことをお話ししようと思います。