うたつかい制作現場レポート
* 文中に編集部員が何名か登場しますが、各人の紹介はどうぞこちら「うたつかい編集部」をご覧ください。
短歌を集める
まず、なんと言っても掲載する短歌がないと冊子は作れません。投稿して下さる方がいるからこそ、形のあるものを作ることができます。創刊時は、ツイッターでのツイートによる呼びかけに反応してくれた方、わたしがお誘いした方、編集部員とわたしを含めて全員で60名でした。第2号以降は、あえてお誘いをしなくても、その60名の中からまた投稿して下さったり、タイムラインでの話題から新しい方が参加して下さったりしながら、徐々に人数が増えていきました。だいたい1年をすぎるころには100名を越え、2年目からはゆるやかに増え創刊時の倍以上になり、現在は160名以上の方に参加して頂いています。
最初はわたしの個人メールアドレスへ、短歌やプロフィール、冊子送り先などをメールで送って頂いていました。今は、便利な投稿フォームがあります(うたつかいへの短歌投稿について)。ここへ書き込んで頂くことで、漏れなく必要事項を集計しています。このフォームを作って管理をしてくれているのが、編集部では千原こはぎさんと御子柴楓子さんです。投稿の締切日や注意事項などはうたつかいツイッターアカウント(@utatsukai)と「うたつかいブログ」で皆さまにお知らせしています。
編集部のおしごと
投稿された短歌や必要な情報を、千原こはぎさんがエクセルの表にしてくれます。それを見て、デザイナー以外の編集部員が校正作業を行います。やり取りは全てweb上の「Meity(メイティ)」というクローズドスペースで(本多真弓さんの記事内に説明有り)するのですが、何をどこまで校正したか、校正のあとデザイナーが訂正したかどうか、などのチェックはGoogleドキュメント(簡単なGoogleドキュメントの説明はこちら)も利用しています。校正と同時進行で、デザイナーの二人が担当別に原稿を作成してくれます。通常、表紙は千原さんと高木さんの交代制で、その時のテーマに合った自由なデザインをしてもらいます。
デザイナー別担当ページをご紹介します。
うたつかい本誌のページには、わざわざどのページを誰が作ったのか、名前を入れていません。千原さんはスタイリッシュなデザイン、高木さんは温かみのある手書きのイラストが特徴です。どのページも編集長のわたしがデザインに注文をつけることはありません。すべて二人におまかせです。原稿が出来上がってくる瞬間が、わたしにとって一番わくわくする瞬間かもしれません。
文字のレイアウトが済んだ原稿の誤字、脱字、誤変換、旧仮名遣いや文語の使い方、投稿フォームの入力ミス、デザイナーの挿入ミス、などをチェックします。自由詠になりますと、最近では参加者が140名を越え700首以上になりますので、編集部員以外の応援校正員として、牛隆佑さんと虫武一俊さんにも依頼しています。
校正で投稿者の方に確認が必要な場合、千原さんかわたしが、うたつかいアカウントからDM(ダイレクトメッセージ)で連絡します。うたつかいは、参加者をツイッターに登録している人に限定しているので、迅速に連絡が取りやすいと思っています。
編集長のおしごと
さて、わたしは何をしているかと言うと…
- スケジュール管理
- ライターさんや投稿者さまとの連絡係
- 巻頭歌選歌、もくじ上の短い詩の作成
- 編集後記を書く
- 校正
- 印刷と製本
…と、書きあげてみると、なんだか仕事が少ないような気がしてきました。編集部員の各々の働きのおかげで、わたしの編集長としての負荷は1年前に比べると半分以上減りました。製本もここ1年くらいは常に5~6人の友人が応援に来てくれます。今のわたしの一番重要な役割は、印刷です。輪転機を回すことです。では、実際の印刷風景をご紹介します。
印刷と製本
かたちのある物を作りたい
こうしてうたつかいが出来上がります。普段は見えない風景をご紹介しました。いかがでしたか? この秋で冊子作りも4年目に入り、徐々に段取りよくできるようになってきましたが、参加して下さる方が増えて、制作部数も増えました。うれしい悲鳴です。編集部や友人が助けてくれるので続けることができます。わたしはいつも、手触りのある物を作るのが好きで、短歌の世界ではそれは冊子を作ることでした。次回、第3回目は、わたしが勢いと思いつきだけで始めた「うたつかい」が、どのように成長していったかをお話したいと思います。どうぞお楽しみに!